「IT戦争の支配者たち 「半導体不足」で大崩壊する日本の産業」や「メタバースがGAFA帝国の世界支配を破壊する!」などの著書を執筆するITビジネスアナリストの深田萌絵さん。
2019年11月から配信を開始した「世界とITの裏話」では、ITはもちろん国際政治の世界で何が起こっているかを定期的に情報発信されています。そんな深田萌絵さんに、メルマガを配信する上で大切にしていることなどをお聞きしました。
──ウェブマガジンを配信しようと思われたきっかけを教えてください。
執筆活動を通じて、出版社のポリシーやメディアの言論統制下で、語りにくいことが多くあることが分かりました。率直に意見を言うためには、自由なプラットフォームが必要であると思いました。
──TwitterなどSNSを活用されていますが、深田さんの中でウェブマガジンによる情報発信はどのような位置づけでしょうか?
SNSは厳しい言論統制下にあり、自由な発信には限界があり、自由な情報発信をする場として利用しています。
──今一番気になっているのはどのようなテーマでしょうか?
IT産業や自動車産業の未来、言論統制、監視システム、日本経済の未来、それにまつわる各国の政治家、政策の動向をウォッチしています。
特に、世界の政策を影響するアメリカの意思決定、市場をリードする中国の動向、半導体製造シェアの高い台湾、もちろん半導体に強い韓国、そして日本を中心に見ています。
──日々、記事を配信される中で気をつけていること、大切にしていることはどんなところでしょうか?
皆さんが既にご存知のようなことを重複して発信する必要はないので、見落とされているシナリオや視点から分析するようにしています。
読者は多くの記事を読み比べる権利があり、できるだけ多くのシナリオを念頭に置くことでリスク回避ができると考えています。「これを読めば全てが分かる」という記事を求められていることも分かりますが、一つの発信元に依存することは読者の選択肢を狭める出版社側や記者側の商業的な戦略です。
この世に「絶対正しい」はありません。時と場合によって、状況は刻々と変化していき、変化が起こるたびに各国の政治的戦略も変化します。
唯一無二の絶対的な答えに依存すると、社会は変化に弱くなります。そういった依存から脱却するために、常に読み比べて、絶対的に正しい何か以上に、多くのシナリオを想定できるようにお勧めしています。
──ウェブマガジンを配信されてよかったこと、また困ったエピソードなどありますか?
正直な話をすると、世の中を良くするために執筆を始めましたので、課金には精神的な抵抗がありました。ただし、政治的な発言をすることで、本業のITビジネスや執筆活動でも干されたりするなど、色んな苦悩の時代がありました。干されることを恐れて、一部の事実を語らない作家もいます。
ウェブマガジンを発行することにより、生活が安定し、言論の独立性を保つこともできたので、読者の皆様に感謝しております。
困った、というわけではありませんが、私の発行するメルマガ以上にメールを返してくださる読者の皆様の全てに返信ができていない状態に申し訳ないと思っております。
返信ができていなくても、皆様のメールと共にお気持ちも受信しており、感謝の念を抱いております。
──今後、どのような展開を考えてらっしゃいますか?
英語版です。
日本国内での活動の限界を超えるには、英語版しかありません。
例えば、外国人記者クラブの方によると、日本語で発信する際には、大手メディア経由だと日本政府のプレスコードを遵守しなければならないというルールがあります。ただし、外国語で報じる時は自由です。おそらく、私たちのような作家には明確に伝えられない形で、メディアは政府に従っているものだと推測できます。そういった、日本の限界を超えるには外国語しかありません。英語と中国語の両方を学びましたが、言論の自由という点においては英語の方がチャンスはあります。
ただし、英語環境も厳しい言論の基準がありますが、私の追求するテーマが英語圏での言論統制の外側にあるので、そこに勝機を見出しています。
──どういった方にウェブマガジンを読んでもらいたいですか?
一般的な大手メディアとは異なる視点が欲しい。日本では語られていない中国の話が聞きたい。ITや自動車産業の未来が知りたいという方に読んで欲しいです。
──最後に読者さんに向けてメッセージをお願いします。
いつもご購読をありがとうございます。執筆の機会を皆様から頂戴したものとして、感謝の気持ちを忘れないようにしたいです。
そして、暖かいメッセージもありがとうございます。
全てのメールに返信できるわけではありませんが、ご連絡を頂いたことに感謝申し上げます。
──ありがとうございました。
世界とITの裏話
日中米のニュースを中心に、IT起業家と元アナリストの視点から多角的に解説。
ITはもはや民間が軍事を超え、IT技術を制する者が世界を制すという国際マフィアと国際政治の世界。
アナリスト時代は上司から、「ニュースを信じるな!積み上げた数字と取材を基に隠されたストーリーを読み解け!独立系は企業にゴマ擦らず辛辣な切り口で書け!」と叩きこまれ、アナリスト時代には、上場企業を痛烈に批判して売り推奨してインテリヤクザに軟禁され、三菱UFJ銀行批判を行なったために「事実を書くな」と圧力を掛けられ、私の『Yahoo!ファイナンス』コラムも閉鎖されました。
2013年に、ファーウェイにスパイされていると書き始めた時は頭が狂っていると批判を浴びましたが、あの当時の訴えが徐々に現実化し、トランプ政権がファーウェイや中国IT企業を批判するようになり、私の主張が見直されるようになりました。
IT起業から8年。
開発の現場、危険な開発と良心に苛まれるエンジニア達の生の声を取材してきました。
IT技術を巡るスパイ事件に巻き込まれて、IT技術がどのように軍事に応用されていくのかを知り、日本政府や警察に通報しても日本はITリテラシーが低いのか、全く意味が理解してもらえないという歯がゆい思いを散々してきました。
これは、もっと多くの人に知ってもらいたいと願えど、政治雑誌『WiLL』でも最も過激な書き手と呼ばれるようになりましたが、紙面の関係やテーマの制限のあり、書ききれていないことも多々あります。
IT、日米中のニュース解説に留まらず、紙面ではなかなか取り上げられにくい幅広いお話ができればいいなと思っています。
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